*短編* 一日恋愛

急に苑塚の声が降ってきた。


思わず声が裏返った私に、みんなが爆笑する。


…うぅ、仕方が無いじゃない。

好きな人が、明日一日恋人になるなんて………



「安城。」


「は…っ、はい!」



苑塚に再び呼ばれ、今度こそ声が裏返らないように気をつけて返事をする。

周りはみんなニヤニヤと冷やかしモード。


「ちょっと来て…」


…え?



何か、言われると思っていた私は、予想外の言葉にぽかーんとした表情をする。

苑塚はというと、私の腕を掴み、部屋の外へと向かう。