「じゃ、俺そろそろ帰るから。今日は、楽しかったよ。」


「あ……」


「ちゃんと、約束守れよ! 今日中に告白だからな!」


待って……苑塚。


行っちゃうの?


繋いだ指から、温もりが消えてく。

数秒間、何にもできないでいた。


けど、けど!


今、言わなきゃ―――!




「………っ、そ、苑塚っ!」


精一杯の声で呼び止める。


振り向いた苑塚に、また、精一杯な私は。