*短編* 一日恋愛

あ。 苑塚だ。


「わっ!? 湊馬……、あの、これはつまり……」


慌てふためくユキの肩を組み、冷たい声で静かに怒る苑塚。


その様子にただ唖然としている私。


「ユキくーん、あっちでちょっとお話しよーか?」

「わ、あ、湊馬、その…っ! 助けてー! 安城さぁあああん! 花穂さぁあああん!」


苑塚がユキをギロリと睨み、ズルズルと教室から引きずり出す。


その10秒後、この世のものとは思えない、ユキの悲鳴が廊下に響いていた。