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涙が…頬を伝った。


これは…悲しい…記憶。



“…のぞ…み…”



誰…?


私を呼んでるの…。



“…のぞみ…”



だから、誰…?



「のぞみっ!起きやっ!!」



耳元で呼ばれた大きな声によって、一気に目が覚めた。


普通にいつもと同じ自分の部屋のベッド。


目の前には心配して覗き込んでるこの人。



「…なんだ、亮治か。“直樹”に呼ばれたのかと思った。」



「その言い方はないやろ!それに“お父さん”って呼びなさいって何回言うたら解るねん!」