直樹を失って。


どうしてこんな事になってしまったんだろうって思った。


今朝までの幸せな時間が夢みたいに感じて。


悲しくて悲しくて…涙はずっと止まらなかった。


だけどだんだん悔しくなってきて。


こんな最悪な結末になってしまったのは…一年前、奴らに出会ってしまったからだ。


奴らが全て奪ったんだ。


大好きな女優のお仕事。


二人で過ごすはずだった時間。


そして、私の大切な人の命。


私から何もかも奪った。


……許せなかった。







私は組織の本拠地に向かった。


直樹の亡骸は安全な場所に寝かせて、ドアを開けた。