愛の奇跡。



“死ねば愛が終わるとは思わない”



直樹の言葉が頭を過った。


そう…だよ…終わらない。


私は、ずっと直樹が好きだもん。


私が死んだとしても、それで直樹への想いが終わるなんて…そんな風には思わない。



「…解ったよ、直樹。一人にしない、必ず私もいくから…。」



直樹の、冷たくなってしまった頬を撫でた。



「でも、待っててね。やり残したことがあるんだ。」



直樹の亡骸を背負った。


体格は遥かに直樹より小さいけど…人間じゃないから、力はある。


私はゆっくりと歩き出した。


夜の街を。