「だって…だって…っもう離れたくな……っ!う…っうぅ……っ」 直樹は本格的に泣いてしまった。 ほんっとに泣き虫で。 年上なのに年下みたいで。 頼りなくて放っとけない。 だけど…そんなところが、好きなんだよね…多分。 「解った、ほら。一緒に行こ?」 こんな私でも、傍に居ていいなら。 「ほ…ほんと…?」 顔を上げる直樹に、私は笑って手を差し出した。 「行く宛てはないけどね。一緒に逃げよっか。」 私もバカだね、ほんと。 危険かもしれないのに。