舞風─君をさがして─

「……っ!!」

そしてゆっくりと起き上った。

「やっと目覚めたようだね」

保健室の先生……!?

「保健医の山南と言います、よろしく」

「あ、あの、私……」

確かグランドに居て――

「気を失って倒れてしまったらしくてね、沖田君がここまで運んでくれたんですよ」

沖田さんが……あとでお礼言わなきゃ。

「私、そろそろ戻ります!!」

「まだ安静にしていたほうがいいですよ。さっき少しだけ君の血をサンプルとして採取させて頂きましたから」

サンプル?なんか怪しい空気を醸し出しているのよね、この先生。

「大丈夫ですって!!」

私は先生が止めるのも振り切って保健室を飛び出した。
というよりあの空間にいることが嫌だったんだ。


「少しフラフラするかも」
勝手に人の血抜くなんて許せない!!
採血したあとオレンジジュース飲むと良いっていうよね。

自力で自販機まで向かいポケットに入っていた小銭でオレンジジュースを購入した。


「四時限目始まっているのにこんなとこでさぼってジュースか?」


うわ~っ!!!最悪……
今日はとことんツイてないらしい。