「いっただきます!!!!!」

平助君は勢いよく料理を食べ始めた。
私も食べよう……
そう思ってスプーンを手にして時だった。

「千鶴ちゃん、さっき何を言おうとしたの?」

沖田さんは私の言葉を気にしてくれていたみたい。

「いえ、保健医の山南さんに血を採取されたんです。もしかしたら今回の事件に関係があるのかなって思って」

「十分ありえるね。これで山南さんへの疑いが確信になったよ」

「……沖田さん」

せっかく頼んだドリアもなんか食べる気がしなくなっていたのは事実だった。

「千鶴ちゃん、食べないの?せっかくのドリアが冷めちゃうよ」

「はい……」

「なんなら俺が食べてやるぞ」

平助君はオムカレーを食べ終わってミートスパゲティもあと一口のとこまできている。

「少しは遠慮という言葉を知った方がいいんじゃない」

沖田さんも平助君の食べっぷりには呆れているようだ。

「固いことはこの際抜き抜き」

「食べるなら食べていいよ」

私はドリアの器を手に取って平助君の目の前に置いた。

「本当にいいのか、千鶴」

「うん、私はまだそんなにお腹減ってないから、どうぞ」

「じゃ、もらいっ!!」

平助君のおいしそうに食べる仕草がかわいいって思ってしまうくらい。
こんなこと平助君に聞かれたら怒られるかな。