「やぁ!君たちが『遅刻三人組』だね」

この方が学園長……だよね?
明るくて優しそうな人。私が思い描いていた学園長像とは真逆と言っても過言ではない。

「『遅刻』は余計だっての、近藤さん」

「ははは……すまん、すまん。平助もその生意気な口は変わらないな」

「今回はどんな用件ですか?」

平助君も沖田さんも学園長とまで知り合いなんだぁ。

「よく聞いてくれた、総司。学園内で起こるある奇怪事件について調べてほしいんだ」

「奇怪事件……?!で、今度は何?」

平助君は驚いているというより、うんざりしているようだ。
もうこれは遅刻の罰の域を超えてる気がする……

「吸血鬼――とでも言うべきかな。最近、学園内の生徒が全身の血を抜かれ倒れているのが目撃されている」

「吸血鬼……だと?!そんな非現実的なことあるわけね―だろ」

私も平助君に同感だ。

「これが、その証拠」

学園長が見せてくれた二枚の写真。
首筋から血が流れでている男子生徒、それ以外には傷等などはないようだ。
死因が首筋の傷なら明らかに普通ではない。