間愛のつめかた

そう、俺が今日も留玖に男装をさせた一番の理由は与一である。

他のやつらはともかく、
かつて留玖を勝手に女の格好に着替えさせた与一の野郎には──



女物の着物に身を包んだ留玖の姿など絶対に見せてやらねえ!



「年頃なんだから、綺麗な着物だって着たいんじゃないのかえ?」

俺の胸中などお構いなしに、与一は留玖を流し見て、

「かわいそうに。いけずなお殿様だねえ」

……ムカッ。

「どうだい? またこの俺が着付けてあげようか」

この野郎ォ──

「無礼者ッ!」

俺がわめきちらす前に、横で冬馬が声を上げた。

「貴様、殿の御前で姉上に向かってそのような……!」

「おいおい、こっちは挨拶をしただけですよ」

しゃあしゃあと与一。

「いやだねェ、これだからお侍は堅苦しくッていけねェな」

「何だとォ!」

冬馬がいきり立って、

「殿、この者を無礼討ちにしてもよろしいですか! よろしいですね!」

「奇遇だな。
俺も今、そうしてえと思ったところだ……!」

カラカラ笑う与一をにらみながら兄弟でそんな会話をしていると、

留玖が宴席の面々を見回して、可愛らしい仕草で首をかしげた。

「殿、宗助は……?」