間愛のつめかた

手は冷たくても、私のほっぺたはもう熱くて熱くて大火事なのに、


「ちゃんと温めてやらねーと駄目だな」


いたずらっぽい囁きが耳をくすぐって、


「え……?」

髪紐がほどかれたのか、ぱさっと私の髪の毛が肩に落ちてきた。


今の私は袴をとって、円士郎のために女物の着物を着ていたけれど
髪の毛は後ろで一つにまとめてくくっただけだった。

江戸のお屋敷で、髪を結ってかんざしで飾った頭で二人きりの時間を過ごしていたら、

一度、円士郎が今みたいに後ろから抱きしめてきて、私が頭を動かしたら「うおっ?」という円士郎の悲鳴が聞こえて、

どうも、かんざしが円士郎の目に刺さりそうになったらしい。

円士郎は大笑いして、

「女の頭は凶器だ」

とか言って、
それから私は、円士郎と二人きりのときは髪を結わないことになってしまった。


「エン……」

振り返ったら、円士郎が唇を重ねてきて、
ぐらりと体が傾いた。

「やっ……エン……」

円士郎の手が着物の中に入ってきて、肌に触れるのを感じて、

私はやっと、畳の上に押し倒されたことに気づいて、もがいた。