【剣】
円士郎に、お城の台所に出入りする許可をもらったほうがいいのかな。
でも、円士郎には内緒で料理を作って、びっくりしてもらいたいな。
夜になって、
円士郎と過ごしながら、私はどうしようか迷って──
──すぐに、それどころではなくなってしまった。
私は最初、
お酒を飲む円士郎のお酌をしながら、今日の出来事を話していたのだけれど……
結城家にいた頃、
円士郎は外でお酒を飲むことが多くて、
こうして私がお酒をついであげることはなくて、
こういうのも「夫婦らしいこと」かもしれないなあ、
なんて思って、
私はふわふわした幸せな気分で、円士郎が手にした杯に銚子のお酒を注いでいた。
こんなの、他の人にとってはささやかなことかもしれないけれど、
私には嬉しくて、
とっても大切な時間で……
なのに──
うう、エンのばか。



