何度も、何度も、柔らかい口づけが私の唇を包んで


「ありがとな、留玖。あの大晦日の夜──生きていてくれて」


私のほっぺたを温かな手がなでて


「あの朝、お前が寒い雪の中で俺が来るまで生きて、待っててくれて……良かった──」


円士郎はそう言って、
私の目から涙が溢れてこぼれ落ちた。


こんな言葉をくれるこの人が好き。


あの日、私を救いに来てくれた。
いつもそばで私を守ってくれた。

そんなこの人と、これからずっと一緒にいられるんだと思ったら嬉しくて嬉しくて──

──幸せだった。