間愛のつめかた

結城家にいた頃は勉学の時間も、
留玖が隣にいたからか、苦にならなかったんだけどなァ──


とは言え、


普通の学問書ならいざ知らず、

こんな国の政治に関わる書物を読むのに、留玖をつき合わせるわけにもゆかないし……


くそ……!

留玖と片時も離れず一緒にいてえよ。


今日は亜鳥が相手をしに来ているはずだから、留玖も寂しい思いなどはしていないだろうが……


そんなことを考えながら、

薄紅色の花びらとは異なり、濃い紅に色づいてひらひらと舞い落ちてゆく桜の葉を見つめて──


「何を惚けてらっしゃるのですかな?」


不意にかかった声で意識を現実に戻すと、
見慣れた覆面頭巾が書物を手に、部屋へと入ってきた。