「変化がほしいのならば──遠慮せずに、何か夫婦らしいことでもしてみたらどうだね?」
運ばれてきた碁盤に向かいながら、亜鳥はそんなことを口にした。
「夫婦らしいこと……?」
「たとえば、私は時々、旦那様に手料理を振る舞ったりなどしているが……」
「手料理!?」
碁石を持つ手を止めて、私は思わず身を乗り出した。
「亜鳥さんが、料理を作るの!?」
「た、たまにだがな」
私がびっくりしていると、城代家老の奥方は何だか焦った様子で頬を赤らめながら言い添えた。
「町屋暮らしをしていた頃に、近所の者に煮炊きを習ったのだよ。
ま、まあ……私が伊羽家の台所に立つのですら、家の者は大騒ぎしているからな。
増して御三家出身の──しかも今は城住まいのおつるぎ様が、城の御台所に出入りすることなど有り得ないだろうし……
た、たとえばの話だよ、たとえばの」
慌てたようにそう言う城代家老の奥方を、私は見つめた。
「青文様は、何て……?」
「む? ああ、美味いと言って食べてくれるが……」
頬を染めて伏し目がちに微笑む亜鳥は、とても幸せそうで──
いいな……と思った。
「いいなあ、それ……」
「は?」
「わ、私も、エンにご飯作ってあげたい!」
大声を出した私を見て、亜鳥は目を丸くした。
「私もエンに──殿に、私が作った料理を食べてもらいたいよ……!」
運ばれてきた碁盤に向かいながら、亜鳥はそんなことを口にした。
「夫婦らしいこと……?」
「たとえば、私は時々、旦那様に手料理を振る舞ったりなどしているが……」
「手料理!?」
碁石を持つ手を止めて、私は思わず身を乗り出した。
「亜鳥さんが、料理を作るの!?」
「た、たまにだがな」
私がびっくりしていると、城代家老の奥方は何だか焦った様子で頬を赤らめながら言い添えた。
「町屋暮らしをしていた頃に、近所の者に煮炊きを習ったのだよ。
ま、まあ……私が伊羽家の台所に立つのですら、家の者は大騒ぎしているからな。
増して御三家出身の──しかも今は城住まいのおつるぎ様が、城の御台所に出入りすることなど有り得ないだろうし……
た、たとえばの話だよ、たとえばの」
慌てたようにそう言う城代家老の奥方を、私は見つめた。
「青文様は、何て……?」
「む? ああ、美味いと言って食べてくれるが……」
頬を染めて伏し目がちに微笑む亜鳥は、とても幸せそうで──
いいな……と思った。
「いいなあ、それ……」
「は?」
「わ、私も、エンにご飯作ってあげたい!」
大声を出した私を見て、亜鳥は目を丸くした。
「私もエンに──殿に、私が作った料理を食べてもらいたいよ……!」



