間愛のつめかた

「教養……ですか」

私は結城家で父上から、囲碁も将棋も勝負のための気の読み合いや戦略は、武芸・兵法に通じると言われて、漣太郎や平司と一緒に教わったのだけれど……。

ちなみに、将棋と囲碁ではそれぞれ私と青文に勝てないという円士郎は、昔からサイコロを振る双六が一番得意で、鬼のように強い。

結局、
城を抜け出して銀治郎親分の賭場に出入りするくらい、博打(*)が好きなんだもんなあ……。


円士郎のことを考えて胸の辺りがほわほわして、
庭と座敷の間の廊下の床に映った紅葉を、私がぽーっと眺めていたら

「おつるぎ様は、十二の歳で武家の養女になったのだったな」

亜鳥はそんなことを言って、

「将棋や囲碁の他に、花や茶、琴などのたしなみは?」

と尋ねてきた。

「習いました。お琴を弾くのは……好きです」

女の子らしい遊びも趣味もやってこなかったから、私はずっと憧れのようなものがあって、

琴なんて、村にいた頃は一生触れることもないと思っていて、

だから教えてもらった時は夢のようで、今でも琴を弾いていると幸せな気分になる。



(*博打:盤双六は昔から博打に用いられ、しばしば取締まりの対象にもなっていたらしい)