間愛のつめかた

それから亜鳥は将棋盤を見つめて「うーん」とうなり始めて、

私は彼女が言うとおりかもしれないと思った。


円士郎とは、十二の歳から一つ屋根の下でずっと一緒にいて、

今もお城の中で一緒にいる。


そこは何も変わっていなくて──


だから、

彼が「夫婦だ」って言ってくれても、実感が湧かないのかな。


それが不満というわけではないけれど、何だか物足りないような気がするのかな……。


そう思ってしまって、頭を振った。

円士郎に優しくしてもらって、
ずっと一緒にいることができて、
お城の御殿に住まわせてもらって、

なのに「物足りない」だなんて……


何を贅沢なことを考えているのだろうと思った。


今のままで十分幸せなのに、罰か当たっちゃうよ……!


でも──



亜鳥が口にした「遠慮」という言葉が、耳の奥でこだました。