間愛のつめかた

「あの……！　亜鳥さんは、青文様と夫婦になって──やっぱり、お互いにそれまでとは何か変わりましたよね？」

私が人生の先輩の目を見つめて尋ねると、「それはまあ、変わったな」とうなずいて、亜鳥は苦笑した。

「私はそれまで彼を前にしていた時の──常に身構えるような感じがなくなったというか──色々な意味で覚悟が固まったからかな、彼に対して気後れしなくなったし……」

何を思っているのか、そこで亜鳥は言葉を切って、
少し頬を染めて天井を睨むようにしながら嘆息した。

「……あの旦那様は豹変した」

「ふえ？　豹変？」

私は意味がわからずに、ぽかんとなった。

「いや、まあ……」

亜鳥はもごもごと口ごもりながらパチリと駒を進めて、

「……平たく言えば、だ。
お互いに、遠慮をしなくなったということだよ」

「遠慮……」

私は再び目を落として呟いた。

「一緒に暮らし始めたわけだからな」

亜鳥はそう言って、くすりと笑いを漏らした。