聖歌をキミに


坂を登りきると、そこには――

いつもの優しい夕日ではない。

血の色をした不気味な赤が、ごうごうと燃えていた。


気味が悪い……しかし、今はそんなことを気にしている場合じゃないんだ!!

俺は真っ直ぐ家に向かった。


二階建ての、白い家。

シミ一つない白い壁に良く映える、赤い屋根。


俺は自転車を家の前に停め、玄関の方に突き進んだ。


まさか……


ドアノブに手を掛けると、

――カチャ


開いてる?