自転車をこぐ途中、右も左も、あるのは新築の住宅だけ。 因みに、俺の家はと言うと、坂を登りきった先にある一番新しいモノだった。 明るく綺麗で、見晴らし抜群!! というキャッチフレーズの元、購入した念願のマイホーム…… まさか、こんなところであだに成るとは思わなかった。 真っ直ぐ伸びていた坂が、いつの間にか拓けてきた。 もうちょっとだ。 もうちょっと!! 自然と脚に力が篭る。 そしてそのまま、俺は坂を登りきった。