「クソッ!!」


約一分程で、留守番に繋がってしまった……

不安と焦燥が俺を駆り立てる。


「今から……行くからな!」


無意識の内に緩んでいた脚を、俺は鞭打って奮い起こす。


あいつに一体何があったんだ!?


早く!! 早く家に帰らないと!!


自転車のグリップを握る手には、汗の滴が溜まり、

唇はドライフルーツのように萎れ、喉は砂にまみれたかのように渇いていた。