「ねえ昂、今日空いてる?」
女は腕を絡ませる。


・・・・・・誰だっけ?



「用事の後だったらいいぜ」
魅惑笑みに声。女は完全に昂の虜。女の瞳はとろんとなる。何も考えられない。


「来いよ」

昂は名前も知らない女を連れて家に向かった。

家と言っても昂が一人暮らししているマンションではない。実家だ。

昂は人気作家であり、たまたま実家にパソコンを忘れてきていた。しかも、良いネタが浮かんだためすぐにストーリーを書く必要があった。