教室に入って私が目にしたのは

由美達が私の机に落書きしている所だった。



大きな字で

『死ね』と…。
ご丁寧に読みがなまで書いてある。



「あれ?学校来たの?もう来ないと思ったから落書きしちゃったあ♪」




私だって死ねるものなら死にたいよ。


だけど佐恵を悲しませたくない。



佐恵ね一言ひとことが「生きて」と聞こえる。



前手首を切りそうになった。

でも佐恵の「大丈夫」という言葉が頭に浮かんだ。


他の人が「大丈夫?」と言っても嫌みにしか聞こえない。



なぜか分からないけど、佐恵の言葉は不思議なほど重く、心にすっと入ってくる。




「…いよ、、。」


「何?」






「ひどいって言ってんの!何でこんなことするの。葵がどんだけ傷ついてるか知ってんの?」





佐恵……

ありがとう。
本当私って佐恵に救われてばっかり。



「傷ついてるのは私。葵に彼氏取られたこと知ってるでしょ?」



違うよ、、、、佐恵…信じて?

私取ってないから…


「そんなのただの噂でしょ?何信じてんの?馬鹿みたい。大体誰が信じるの?」




「え、、てか信じてない人いるの?」




由美は前のようにクラスのみんなに問いかける。





この前私のこと邪魔じゃないと言ったななちゃんでさえ、何も言わなかった。



「佐恵…ありがとう。もういいよ。」



「葵……ごめんね、役立たずで、、」



そんなこと言わないで…?

佐恵は全然役立たずなんかじゃないよ。

役立たずなのは私。



「葵、こんな落書きに負けちゃだめ!雑巾取りに行こ?」



「うん!佐恵、、、ごめ………じゃなかった…ありがとう!」




私と佐恵は雑巾を取りに行って
落書きを一緒に消した。


この時私は佐恵とならイジメを乗り越えられる気がした。

その時までは…………