君のことを想いながら

「トウヤ。しゃがみ込んでるようだけど…。終わったの??」


男はトウヤという名前のようだ。


トウヤはビクッと一瞬震え、ゆっくり立ち上がった。


「ヨ…ヨクさん…」


トウヤの目は焦点が合ってない。


「まだ、終わってないようね。それとも、これから??」


ヨクは見下すようにトウヤを見る。


「ヨクさん…僕は…、僕には…できません…。」


汗まみれになったトウヤが恐る恐る言う。


「………。そう…。トウヤには、関係のないことよね…。」


ヨクは、ゆっくりとサキに近づいていく。


そして、サキの髪を撫でる。


そっと撫でてサキを凝視する。


「憎らしい…。なんて憎らしい子なの…。」


ヨクはサキの頬にそっと触れる。


「…ヨクさん…やめてください!!」


トウヤは、ヨクに訴えかける。


「ヨクさんも知っていますよね!!神が定めた寿命に…、我々、死神が干渉してはいけないことを!!」


トウヤはヨクの手をとった。