「あ~ぁ…ひまだなぁ~。
レイ帰っちゃったし…」


サキはつまらなさそうに
つぶやいた。


あたりは真っ暗で、
町では街灯が眩しく光っている。


ちょうど夜10時を過ぎたころ。


「…ゴホッ…薬切れた…かな??…」


サキは、ベッド脇にある引き出しに手を伸ばした。


「…ゴホッゴホッ……ッ」


サキはまた咳込む。


サキは引き出しの中に
ある薬をとった。


そして、コップに注いである水をとり薬を飲んだ。

「…はぁ~…薬で抑えられるのも…限界なのかも…しれない…なぁ~…」


サキは、悲しそうだった。

同じ部屋の患者たちの寝息が
聞こえる。


「…………。」


サキは横になり、布団を頭までかぶった。


30分くらいして規則正しい寝息が静かに部屋に響いた。



静かな病院では、
ピッピッと電子音が響き、
看護師たちの足音がカツーン、カツーンと響いていた。