「ふふ、荒れてるわね。ヨク。」


ヨクは涙目をこすって、声のする方を向いた。


そこには、腰まである銀髪の綺麗な女がいた。


「…ジル。」


「どうして、そんなに荒れてるのかしら??」


「ジルには、関係のないことよ。」


ヨクの声は低く冷たい。


ジルはヨクの方へとゆっくりと歩いてきた。


「あら、冷たいのね。養成所の頃からの友人じゃない。」


クスッと笑いヨクの頬を撫でる。


「触らないで!あなたを友人だなんて思ってない!」


ヨクはジルの手を払う。


「ご機嫌ななめね。ふふっ。ヨクに嫌われてるなんて悲しいわ。」


「悲しい??笑わせる。
ジル、あのことは、あなたのせいなのよ…。あなたのせいで…っ!!」


ヨクは手を握り締める。


「……??あぁ…あれね。私は、正しいことをしたまでよ。悪いのは、秩序を乱したあなたじゃない。恨むなんて、失礼だわ。」


冷静にジルは言い放った。