「あー、レイ!!」


サキは笑顔で俺を迎える。


待ち構えている最期なんて知らないような笑顔で。


「おい。はしゃぐと身体に障る。」


俺はサキの背中を支える。


「は~い。レイ優しい。ふふっ。」


「馬鹿。」


「ぶぅ、馬鹿じゃないよ~だ。これでも、学校行ってた頃は、次席だよ??」


「首席じゃないのかよ。」


「次席でも大変なんだからね!!」


サキは、腕を組んでしかめっつらをしている。


「…ゴホッ…ゴホッ…ゴホッゴホッ!!」


サキは激しく咳込んでいる。


俺は、焦った。


「おいっ!?大丈夫か!?おいっ!!サキっ!!」


「あ…血…。」


サキが手を口から離したとき手には血がついていた。


「おい!!血出てるじゃねぇか!!医者、呼べよ!!」


「…大丈夫…。薬もらってるから…。」


サキは薬を出し飲む。