これは記憶だ。


人間だった頃の俺の温かい記憶。


この日はちょうど…あの日だ。

「玲、式を上げるなら私ここがいいな」


ウエディング特集を見て、甘い声を出す。


「式?ああ…、どこでもいい」

「もうちょっと考えてよ…。
せっかくの結婚式なのに…」


静香は泣きそうになってる。


別に、結婚式がどうでもいいわけじゃない。


ただ、ウエディングドレスを来た静香を披露したくないだけ。