見下ろすは汚れた地上。


誰にしようか…??


不気味に笑う俺は
残酷な死神だ。


「…あいつか、
いや、あいつもいい…」


商品を見定めるように、
俺は目に写る限りの人間を見る。


「んー…」


しばらく見ていて、
ある一人が目に入った。


綺麗すぎるくらい
澄んだ空気を纏う女。


「………。」


俺は少し考えこんだ。


「あいつに決ーめたっ!!」


ニタリと笑う。


あれほどに、綺麗な空気は
どこまで黒く染まる…??


綺麗なものほど、
一点の小さな汚れは大きく広がってゆく―…。