「悲しい結末…。だが、人間の生に干渉したのだから仕方ない。泡になる他、道はなかった。」


嘲け笑うようにマオ様は言った


「…………。」


「言葉も出て来ないか?悲しいのか??だが、わかったであろう??恋など所詮この程度の情。最も煩わしい感情に過ぎん。レイも人形を愛したじゃないか。」


俺は俯きながら呟いた


「人形…。」


「シズカだよ。シズカは、私が用意した虚構の存在だ。その存在を人間界に堕ちるお前に出会うよう仕向けた。もちろん、レイ自身に恋という情など、仕掛けてはいない。」


シズカが…存在しない人間…??


あんなに…笑っていたシズカが…??


「それなのに、お前はシズカを愛した。そして、そのシズカを想いながらサキにも愛しさを覚えた。愛だの、想いだの…。そんなもの、ただの同情にしか過ぎん。くだらない!!」


マオ様の言葉が頭の中をえぐる


今でも、あの幸せだった生活は残っているのに…!!

「う…うわああああ!!嘘だ!!」


俺は髪を乱して叫んだ