トウヤは勢い走ってきて俺の胸倉を掴み上げた


「レイは、ヨクさんのことを好きだったんでしょう!!…人間に堕ちて…レイはヨクさんを悲しませるようなことばかり…!!」


正直…俺にもわからない

だから、トウヤの気持ちをぶつけられ胸倉を掴まれた今のこの状態を甘んじて受け入れている


思い出した今、ヨクのことが好きな気持ちだってある


だけど、サキだってそうだ


死神だったなんて記憶がなくて人間を不幸にしてばかりだった俺を優しく包んでくれた…


「レイは、誰を想ってるんです!!シズカさんですか!サキさんですか!ヨクさんですか!」


トウヤに激しく揺さぶられた


俺は静かにトウヤの手を解いた


「俺は…俺が、想っているのは…」


そこから先の言葉が出てこない

俺が今…想っているのは…??

俺は…。


ヨク…?


サキ…?


二人の笑顔が頭の中で、交互に浮かぶ