『《不幸》を集めたくない』


実習を拒絶して無意識に脳内に描いたものは…


《破壊》だ


赤い玉はその為に出てきたんだろう


何かを破壊するために。

僕は、ずっと黙って考えていると先生が話し出した。


「レイくん。あなたはやっぱり特別ね。ユルの泉で生まれたこともそうだけど…。」


「先生。僕は特別なんかじゃ…」


先生は、僕の言葉を遮り話す


「いいえ。特別よ。マオ様ですら《不幸》なしでは発動できないのに、あなたはやってのけた。これは特別なことよ。」


僕は静かに聞く


心のどこかでは嬉しいと感じる気持ちもあった


「で。さっきの話を聞く限り、感情によって発動する可能性がでてきたわ。しっかりコントロールしなさい。」


先生は力強く言った。


それから今後について話された


僕はとりあえず《不幸》を集めなくてもいいようになった


僕自身、あんなものを集めたくないから嬉しいと思った


「能力値…か…」


僕は、部屋を出てぽつりと呟いた