君のことを想いながら

「ジル!!もう、またそんな言い方して!そんなんじゃないよ!」

ジルと言う女は肩まである銀髪がやたら目立っていた。


気が強そうな女だと思った。


「レイ!紹介するね。彼女はジル。私の親友なんだ。お姉ちゃんみたいですごく頼りになるんだ。」


ヨクはジルの腕に自分の腕を絡ませて言った。


「はじめまして。次期王サマ。出身はウルの泉よ。そして、彼は…。ほら、もうッ!!」


ジルは、後ろに振り返り幼い顔付きの男を引っ張り僕に紹介する。


「彼は…トウヤ。ハガルの泉よ。私のウルの泉と近かったの。おかげで腐れ縁なの。」


「…はじめまして…。」


トウヤは小さく言った。


「はじめまして。ジルちゃん。トウヤくん。僕はレイ。レイでいいよ。」


「レイね。私もジルでいいわ。トウヤも、呼び捨てで構わないわよ。ねっ??トウヤ。」


ジルは、トウヤの方を見る。


「…うん」


トウヤは消えそうな声で答えた。