「はー‥、やるか!」


段ボールが山積みされた部屋を見渡し、白とピンクのカラーボックスに本を入れて行く。


荷物減らしたからこれでも少ない方なのに‥とため息をついた。


「クローゼットが部屋についててよかった‥さ、次は洋服だ!」


ハンガーに洋服をかけていき、Tシャツ等は下の引き出しに入れていく。


洋服なんて私あんまり持ってないから早く終わりそう‥かも。


ガタガタと部屋を片付けていると、コンコンとドアをノックされた。


「出来たから‥おいで」


「あ、はい!今行きますっ」


ドアを開けて急いで外に出ると、先生は少しびっくりした顔をしていた。


「そんな‥急がなくても」


「だって先生がせっかく作ってくれたのに、冷めちゃったら嫌じゃないですかっ」


「‥‥っ」


先生は俯くと小さな声で「ありがとう」と呟いた。


「じゃあ私手洗って来ますね?掃除したから汚くて‥」


「‥分かった、待ってる」


下の階に降り、先生は料理がおいてあるテーブルの前の椅子にちょこんと座った。


「(なんか先生って凄く可愛い、いくつなんだろう?)」


手を洗って戻って来ると、先生と私も同じ様に前の椅子に座る。


「‥いただきます」


「いただきまーす」


お腹の空いていた私には、とても嬉しいことだった。


「美味しいっ!このスパゲティーホントに美味しいです」


「‥本当?」


「はいっ!すっごく!」


「なら‥良かった」


嬉しそうに笑った先生の顔は、窓から降り注ぐ光に反射してとても綺麗だった。



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