「では先生、お休みなさい」


「‥うんお休み、明日は何時に出掛けるの?」


「えっと‥2時位でお願いします、ゆっくりお散歩しましょう」


「うん、分かった‥じゃあお休み」


「お休みなさい、先生」


口だけにこりと笑った先生は、欠伸をしながら階段を上がっていく。


よほど疲れて居たのね‥と、ため息をつくと私はパーカーを来てバルコニーに出た。


「やっぱり夜は寒いな‥」


外にあった木で作られた椅子に座ると、タイミング良く携帯の着信が鳴る。


「こんな時間に‥」


携帯のサブディスプレイを見ると名前は《千尋》となっていた。


「もしもし?ちーちゃん?」


「ごめんね、夜遅くに‥」


「ううん、大丈夫ーそれよりどうしたの?電話なんて」


「今日八尋が言った事気にしないでね?無理に頼むのは失礼だって分かってるから‥」


千尋の声はなんだか擽ったくて、優しい声色だ。


「八尋はズバズバ言うから私は好きだよ?自分に素直だし、気にしてないから安心して?」


「ふふ、ありがとう‥でも本当は嬉しかったんだ‥ご飯作ってくれるの」


千尋は可愛いな、この乙女らしいようなてゆーか優しさ?が私はすごく好き。


「今度あやめも連れてご飯作りに行くついでにパーティーでもしない?二人今月誕生日でしょ?」


「え?知ってたの?」


「あやめが話してたよ、プレゼント買わなきゃなー」


「ごめんね、ありがとう」


「じゃあまた詳しい事決まったら電話します!」


「分かった、今日はありがとう‥お休み」


「お休みー」


プツンと電話を切って私は部屋へと向かう、2階に上がるとドアを開けてベットに勢いよく倒れ込んだ。



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