「でないの?」
神谷が不思議そうな顔で首をかしげた
「話したくないから。」
そう言いつつも私はまだ携帯を見ていた。
「………父親。」
「……へ?」
「高校に入ってから、ろくに話もした事ない父親が『話がしたい』って。…なんか、気持ち悪くて。」
すると神谷は困った顔をして
「まぁ、話したくなるまで待てばいいんじゃない?」
なんて、のん気な事を言った。
「話したくなんか、ならないよ。」
「でも、帰ってきたら話すよね?」
「…出張で、土曜日に帰ってくる。」
神谷は“なるほど~”っていう渋い顔で私を見つめると
「じゃ、その時までに心の準備しとけばいいよねっ」
って言った。

