「…ありがとう。気持ちだけでいい。まだ返品きくんじゃないかな…」 「えー、何でー?気に入らなかった?」 神谷が申し訳なさそうに私の顔を覗き込む。 「…ううん。とっても素敵。お洒落だし、どんな服にも合いそう。」 「じゃ、何で?お金の事以外でお答えをどうぞっ!!」 クイズ番組の司会者のような口調で “空気のマイク”を掴んだ右手を私の口元に近づけた。 「………お金の事以外?」 「うん。じゃなきゃ返品不可。」 言った方がいいのか どうなのか。 「…あの鞄、お母さんに貰った物なんだ」