「…神谷、付き合うってのは、お互いに想い合ってる人がするって知ってる?」
「うん。」
「じゃ、私は違うでしょ。」
すると、神谷は俯いて
「怒んないで聞いて?」
って、つぶやいた。
「なに?」
そう言う言い方されると気になるのが人間。
「俺ね、モテるでしょ?」
わぉ。出だしからムカつく。
「でも、もう、誰に告白されたって、俺は付き合えない理由ができたの。だから…」
……は?
「だから、絶対に俺を好きになんない"彼女"が必要だと思ったのね?」
「……それが私?」
「うん。」
ふざけんな
ふざけんな!!
ふざけんなぁ!!!!!
私はただの“女よけ”か!!?
そんな理由で私の“初カレ”の場所を取らないでよ!!!
「………消えろ!!!」
全ての思いをその言葉につめ込んで、玄関のドアを掴んだ。

