きっと好き




沈黙。

長くて、短い沈黙。



どうすればいいのかわからなくて
ソロリと目線を上げると


もう平井君は私を見てはいなかった。





無表情で

私のずっと後ろを見ていた。











「ごめん。…聞く気はなかった。」








その声にドキンと心臓が跳ね上がる。





振り向くとそこにはやっぱり



「神谷…。」







少し乱れた髪や息づかいで、神谷が走ってきた事がわかった。






「…邪魔しちゃってごめん。」

「神谷…!」





走り出した神谷を追いかけようとして


やめた。






だって、追いかける理由が私にはないじゃないか。








でも、トンと背中を押してくれる優しい手の持ち主が私の後ろにはいたんだ。






「なにつっ立ってんの?
行かなきゃ。」




困ったように目尻をさげて私の背中を押してくれる。








「平井君…。……ありがとう。」



「うん。話なら、いつでも聞くからな。」




報告待ってる なんて言って平井君はまた私の背中を押す。






だから


私は走り出せた。