「でもさ、やっぱ、やっぱさ…
チャンスくらいはくれない?」
歩き出した私の背中に平井君の声がぶつかった。
「……え?」
振り返ると平井君が真っ直ぐ私を見ていた。
ワーワーと、外は盛り上がっているみたい。
「もう俺、瀬合を"ただの女友達"だとは思えない。」
ドタバタとうるさい足音がする。
あれ?違う?
私の心臓の音かな?
今は真冬。
なのに、私は変な汗をかいていて
なぜか、平井君の目が見れなかった。
「……うん。」
何に対しての“うん”なのかは、自分でもわからない。
都合よく、平井君が、私自身が、解釈すればいいと思った。

