きっと好き













「……神谷?」





昨日、私が神谷に連れて来られた場所は

私の家から30分ほど歩いた所にある総合病院。





しっかりと握られた手は、ひんやりと冷たかった。








「……ここ。」



ある病室の前で、神谷は止まった。





「………入ろっか。」




その時、神谷の手が私から離れた。



本当は分かってた。








もう、神谷は私の手を握ってはくれない。









「……お、おじゃまします。」



何て言えば良いのかわからず、人の家に上げてもらう時のような事を言ってしまった。







「杏里、紹介するよ。
クラスメイトの瀬合ひかるさん。」





ドキドキした。


カーテンの奥の“杏里”さんが、どんな人なのか

どんな顔で私と対面するのか