「…あのさぁ、島田。瀬合にはちゃんと彼氏がいるんだし、そういう事を言っちゃだめだ。」
平井君が真面目な顔で言った。
「だぁからぁ~、瀬合サンより私の方が岳のこと解ってるし、好きになったの先だもん。」
唇を尖らせて可愛い顔。
島田さんの得意技。
「……瀬合、もぅ行こ。」
「えっ…!」
“これ以上言っても無駄”といった様子で平井君は強引に私の腕を引いた。
「ちょっとぉ!!邪魔しないでよ、ジョー!!」
体育館に響く島田さんの声。
もう体育館には私たち以外に誰もいなかった。
「瀬合サン!!」
大きな声で呼ばれて立ち止まる。
平井君が“行こう”って目で訴えてきたけど、島田さんの話を聞かなきゃいけない気がして、私はゆっくりと振り返った。
「彼女の瀬合サンに問題です。
岳は、いつも瀬合サンを家まで送った後、どこに行くでしょう?」
………え?

