「…あ、もしかして傘、持ってないとか?」
「うん…だから走ろっかなって考えてたトコ。」
「ふーん。じゃ、俺の傘貸すわ。明日にでも返して」
平井君は私に傘を押し付けた。
「いや、いいよ!!平井君が濡れるじゃん!!」
「俺、家近いからっ!
じゃなっ!!」
そう言ってすごい速さで帰っていく平井君。
追っかけるのもおかしいから
「ありがとうっ!!」
って叫んだら
右手を挙げてヒラヒラってした。
………さわやかー。
本当なら、ああいうのがモテなきゃいけないんだよな… きっと。
「かっっこいい~!!
俺なら相合い傘しちゃうな。」
…今度こそ
睨むべき人登場。

