「………え?」
みんな驚いて私を見ていた。
「めんどくさいって言ったの。聞こえなかった?」
イライラするなぁ…。
「お父さんもさぁ、始めから“妊娠させてしまいました”って言えばよかったじゃん。」
みんな口が半開き。
「マキハラさんだって、引き下がるつもりなんて更々無いんでしょ?」
「そんな…!」
急いで否定してるけど、女同士って結構分かっちゃうんだから。
「ホントにもう勝手にすればいいじゃん!!」
「………ひかる…」
…心配してくれるのは兄だけか……。
「……ひかるちゃん、私…。」
「…毎日お母さんに挨拶してよ。」
マキハラさんが話し出したのを遮って注文をつけた。
どうせ「私のことは、もういい」とか、そんなことしか言わないから。
「その子が成長して、私達のことをどう説明するのか、お母さんのことをどう説明するのかは知らないけど。」
「………ひかるちゃん。」
「私、高校卒業したら…この家から出るから。」
「は!?」
父が大きな声をだした。
「お金ないし、すぐには無理だけど。
…お母さんも連れていく。」

