きっと好き

………‥
…‥







「…あ、今日はもう、ここでいい。」



電車から降りて神谷に言った。



「いいって。家まで送る。」

「ううん。…1人で、帰りたいんだ。」




1人で帰って気持ちを落ち着けたい。




「……そ?じゃ、また明日ってことで。」


そう言うと神谷は兄のカーディガンが入った紙袋を私に渡した。



「うん。本当にありがとう。電車代、明日返すね。」





紙袋を受け取って神谷に背を向けると


「ひかる、がんばれ。」


声をかけられた。



「うん。戦ってくる。」



それだけ神谷に伝えて
私は思い切り走った。





















「ふぅ…。」



家に入る前に1つため息。


神谷と一緒にいた時からの動悸が収まらないのと

絶対に今日は逃げない

という気持ちを固めるため。










「よし…っ」



ドアを掴んで引っ張ると


「わっ!!!」




すごい顔をした兄が玄関で仁王立ちをしていた。