「ちょっと…!!」
「手ぇ冷たっ」
心臓が口から飛び出すかと思った。
「ひかるって“ピュア~”って感じだよね。」
私は緊張してるというのに、神谷はいつも通り。いたって普通だ。
「…なにが」
「手ぇ繋いだだけで"ピキーン"ってなるもんね。」
「なっ…!」
当たり前じゃないか!!
産まれてこのかた、父と兄以外の男の人の手なんか握った事ないんだから…!!
「そういう所が好き。」
「はぁ!?」
…もぅ無理!!
だって、心臓が活動しすぎてさっきまで冷たかった手が熱くなってる。
「ははっ ひかる、真っ赤。」
「うるさいっ!!」
気づけ、神谷。
『俺のことは好きになんないでね。』
そう言ったのはアンタなんだから。
気持ちを誤魔化せてる内に
私から離れて。

