きっと好き




…お兄ちゃん?


何も考えずに電話に出ると




『ひかる?!!!今ドコ!!!?』



びっくりするくらい大きな声で叫ばれた。


びっくりし過ぎて携帯を落としてしまって、慌てて拾う。



「いきなり大きな声で喋らないでよ!何なの?」

『何なの?は、こっちのセリフ。
突然出て行ったんだって?』



ナニソレ。



「……まるで私が悪者。」

『……ひかる?』


「お兄ちゃんは、あの家に知らない女の人が入って来ても…平気なんだ?」


『……そういう事言ってんじゃないだろ?
とりあえず、今どこに居るの?今から行くから。』


「…友達の家。」

『どこにあんの?』

「…帰らないよ。」



帰れないよ…。
もう顔も見たくない。



『ひかるぅ…。
…俺は良いけど、その友達の親御さんに迷惑かけんなよ…?』
「…わかってる。」





お兄ちゃんが諦めて、ため息をついて「じゃあ…」って言ったとき



「ひかる姉ちゃん!」
「こら!泉!!まだ頭濡れてんだろ!!!逃げんな!!」



…! 声でかい神谷っ!!!


『!! 友達って男!!?ダメダメダメダメ!!!!女の子でもギリギリセーフなんだからな!!』


………やっぱり。


「違うよ、違う!お、お、オカマ!!そう、オカマなの!!」



…何言ってんだろ、私。