きっと好き




「えっと、化学のナントカカントカなんだって。」


「…ナントカカントカって…。」



父親の仕事が何なのか、あまり知らない私が言える事じゃないけどね…。





「だって説明されても分からないんだもーん。」


「分からないんだもーん。」

と神谷のマネをする泉くんを抱き抱えてコチョコチョしている神谷は、完全に"良いお兄ちゃん"だった。





「今日親いないし、やっぱりさ、お鍋は人数多い方がいいでしょ?だから誘ったの。」


「…そっか。」










泣いてた理由も聞かないで、こうやって私に落ち着く場所をくれる神谷にすごく感謝してる。

なのに、素っ気なくしてしまう自分がいやだ。








そんなことを考えながら
鍋を見る神谷を見ていると、泉くんが私の足にしがみついてきて



「……お姉ちゃん、泣いたの?」




って聞いてきた。