「『女の子はみんなかのじょ』って、お兄ちゃんが…」
……5才児に何言ってんだ、あいつは。
「あは、そうなんだ。」
ここは適当に笑っとくか…。
…あれ?
「泉くん、お父さんは?」
"主夫"だって言ってたのに、お母さんどころか、お父さんもいない。
「今日は"ドクソウカイ"なんだってー。」
……はて?
ドクソウカイ?
独奏会?
独走会?
独創会?
毒草会?
「………え?」
「もぅー、"ドクソウカイ"じゃなくて"同窓会"だってば。」
鍋を持った神谷がキッチンから現れてテーブルの上のカセットコンロに鍋を置いた。
「親父は高校の同窓会で遅くなるんだってさ。」
どうやら、会話は聞こえてたみたい。
コンロに火をつける神谷にもう1つ質問。
「……お母さんは?」
「今日は泊まり込みかもしれないって言ってた。」
「…何の仕事なの?」
「んー、“大学准教授 兼 研究者”って自分では言ってるよ?」
……なんじゃそりゃ!

